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『なぜ「前超勤」を申請するのか』-2-

前超勤の実態は様々です。1時間前の人、15分前の人もいます。この実態で、「仕事をしているんだから前超勤を書きましょう」と言うと、管理職ばかりでなく、同僚からも「30分はともかく1時間は問題なんじゃない」という声が上がるかもしれません。これはどう考えたらいいのでしょうか?やっぱり1時間は早すぎでしょうか?1時間早く来て仕事を始めたら1時間申請しましょう。

今回支部と経営本部の間で合意したのは、いかに正確に労働時間を把握するかということです。

1時間が長いと思うなら、管理職が自ら1時間も前から来なくて済む働きかたを指導することが必要です。背景には業務量が多いとか、8時35分業務開始で手術室入室が8時45分で10分しかないとか、個人の問題を超えた働かされ方の問題があるのです。

また、申し送りが廃止になってから、業務開始前にどの程度の情報を持っているべきなのか基準が示されたことはありません。そのため個人が必要と思う情報量の差が前超勤の差になっています。

この場合も管理職は、業務開始前に把握しておくべき情報量に関して基準を示し、不必要に早く来なくてもいいように指導する責任があります。

このように前超勤の問題には構造的な問題があり、その長短を個人の責任にするには無理があります。ですから管理職には、前超勤の背景にある問題をつかみ解決する責任があるのです。

前回も書きましたが、管理職が「まだ仕事を始めないでください」と言わない限り、前超勤を止めなかったことが業務命令になります。前超勤申請は働かされ方の問題を明らかにします。とりわけ2交代夜勤の前超勤は1時間ほどになっており、長時間夜勤をより深刻にしています。

しっかり前超勤を申請して問題解決につなげましょう。

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